第6弾カード紹介 第4回 エナジー強化

■戦史家の日誌「サプライベース」 池っち店長

「……結果としてキプロス防衛戦はATLAS軍に致命的なダメージを与えた。“ト・メガ・セイリオン”が黙示録の獣として侵略次元に具現化されたものなのであれば、アレが実在するようになったのは、多くの兵士がキプロス島で、「黙示録」を強く意識しすぎたせいだと言える。

東妖軍に所属する、怪異を研究している友人から聞いた話だが、怪異とは、多くの人間が『居る』と意識するからこそ存在する、一種の情報生命体らしい。キプロスに出現した黙示録の獣は、まず兵士達が自らを、最終戦争にて世界を救うべく戦場に赴く、黙示録の兵士達と重ね合わせ自らを鼓舞していた事と関係がある。旧約聖書に語られる最終戦争。いうことは、「終末の獣」のような強大な敵が現れるのではないか?と想起した事に起因するのではないか。侵略次元はその想起されたイメージを利用し、ポジティブ・エナジーの集中的な照射で、『影の世界』からト・メガ・セイリオンの母体を引きずり出し、「黙示録の獣が実在する可能性の強化」を施したのである。

これはつまり、ATLAS軍が大規模な作戦行動を取る場合、常に一つのリスクが生まれることを意味する。戦力が集まれば集まるほど、強力な敵が出現する可能性があるという……

私の所属する第506号サプライベース(補給基地)は、キプロス作戦の初動時にほとんど物資を供出しなかった、いわば後詰めの補給基地であった事が幸いし、物資を失わずに済んだ。しかしキプロスの戦いは、ATLAS上層部の人材をごっそりと失わせたため、 結果ATLAS軍の指揮系統は大混乱に陥り、2ヶ月経った現在も組織としての体裁を取り戻せずに居る。(私は個人的に、あの軍事ビジネス狂がそのように仕組んだのではないかと見ているが……)

よってこの基地の物資も無駄に積み上げられたままだ。
こんなことなら、多少の軍規を犯してでも、物資を有効利用するべきだと考えて自然だろう……私は基地司令から許可を受け、最近活躍の目覚ましい『レジスタンス』達に対し、当基地の物資や一部の武器を供給することにした。

レジスタンスは民間の武装組織だ。無論、侵略次元に対しての。我らの国では古くからパルチザンなど、一般の人々が立ち上がり、侵略者や弾圧者に対して戦闘行動を行う文化がある。我々軍人は、民間の人々を守る立場にあるが、我らが民は守られるだけの存在ではないことを、歴史が証明しているのだ。

戦いは恐怖と絶望を生むが、熱狂と希望をも生み出す。その中で生まれるのは反逆のシンボルとなる『英雄』だ。ジャンヌ・ダルク然り、ジャン・ムーラン然り、チェ・ゲバラ然り……最近は特異な能力を持つ『覚醒者』が組織のリーダーとなり、英雄視されることが多いようだ。

戦果は拡大し、誰もが傍観者で居られなくなった。しかしこの状況に納得している私も居る。

そもそもATLASは大きすぎたのだ。ヨーロッパの殆どの国軍の寄せ集め世帯で在る上に、『影の世界』からやってきた神話や民話のものたちと連携し、その上で異世界からのゲスト、『アーク』との軍事提携も進めなければならない、という、おそらくは人類史上最大の軍事組織なのだから。継ぎ接ぎの組織であり、一部の軍需産業の思惑にも逆らえない脆弱さをも持っている。

とはいえ、やがてATLASは立ち直るだろう。しかし私はこうも思う。古よりヨーロッパの地は戦いの血で汚されてきた。しかしそこには、自らの地を自らの力で守ろうという、誇り高き民族の戦いの歴史も刻まれてきた。今、我らは軍と民の垣根を取り払い、『地球民族』として一丸となり、侵略次元に立ち向かうべきではないだろうか。

奴らこそ、各民族の負の歴史も、わだかまりも全て吹き飛ばす、絶対的な侵略者なのだから。

そう。つまり、侵略次元が地球のほぼ全土に同時に攻撃を加えていることは、戦略上、どう考えても悪手だ。一部地域への攻撃であれば、それは地球全土から見て、「その地域の問題」へと矮小化される。人類が一丸となることはない。ATLASのような超・巨大な軍事組織も生まれようがないのだ。侵略次元は連携の取れていない人名に対し、じわじわと進撃範囲を増やしていけばいい。戦略的にはそれが正しい。

にも関わらず侵略次元は、2面作戦どころが全方面からの侵略という、あり得ない戦術を取っている。侵略次元の論理的でない、矛盾した行動は無数に挙げられるが……ひょっとすると侵略次元は、地球人類すべての敵となることで、在る意味人類の意思統一の助けになっているのかも知れない。

いや、勿論それは考えすぎだろう。アレはウィルスや細菌のようなもので、当たるを幸いに攻め込んでくるだけの存在だ。だからこそあれ程に無慈悲で、感情のない、邪悪なものであるに違いない。

これは人類に与えられた試練だ。これを乗り越えた時、我々は軍人、レジスタンスや民間人の別け隔てなく、もしかすると国家の別け隔てすらなく、共通する敵を撃退した同士として、より密接で親しい関係を築くことができるだろう。

その時を信じて、今は戦うだけだ。


「戦史家の日記」終

■フォース・カードについて
第6弾で導入された「フォースカード」と、それをデッキからサーチしてくる一連のユニット群は、実際にテストデッキをプレイして下さった方々からのアンケート結果によれば、ほぼ全員が「めちゃくちゃ強い」と認めて下さった新システムです。

まず、カウンター効果で場に出る場合、「カードが1枚増えている」「デッキからカウンターを持っていないカードが1枚減り、カウンター効率を高めている」という点で大きなアドバンテージとなっています。数あるカウンター効果の中でも、かなり強い部類にはいるでしょう。
そして何より、増えたエナジーは高コスト・かつ強力なカードをプレイするチャンスを産み、ゲームの逆転性を強化しています。

この新システムを有効に使うには、フォースカードだけでなく、「エナジーをアクトするカード」も必要となりますが、その費用対比効果は十分に納得の行くものとなります。
また、フォースを有効活用できるルーラーを吟味することも重要で、1ターンに多くのエナジーをアクトできる「ウィザード」と、ゲッシュ「剛勇の誓い」付きの「ナイト」などが考えられます。「トリックスター」や「シュリケン」も面白いところかも知れません。

この新システム、ゲートルーラーというゲームの可能性を大幅に拡大しています。ぜひ使ってみて下さい!

■スターストーン・スピリット
今回、各軍には1コストのユニットで、【CNT】でフォースカードをデッキから持ってくるユニットが存在しますが、この「スターストーン・スピリット」だけは例外です。
唯一のレベル0であり、また、【CNT】も持っていません。
これを強いと感じるか、他と違って使いにくい、と感じるかはデッキによるでしょうが、手札から0コストで場に出し、デッキからフォースカードをダダで出せるアドバンテージは、使ってみると何だかインチキなぐらい強く感じます。
……なにげにフレーバーテキストが、マジカルユニバースという世界そのものの設定ネタバレなところも注目です。

ゲートルーラー第6弾は現在、お店様や通販サイトにて予約受付中。 生産数は2万パック限定。ご予約をお早めに!

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