第6弾カード紹介 第11回 「死影」

■生命の理から外れて(前編)

★語り手 
大迷宮「神封じの牢獄」ダンジョンマスター・メリル・シュトラウス

メリルについてはこちらのコラムで詳しく書かれています。
https://gateruler.jp/columns/%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0-%E9%AD%94%E7%8E%8B%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%AB%E3%81%A3%E3%81%A6%E4%BD%95%E8%80%85%E3%81%AA%E3%81%AE%EF%BC%9F/

なんということだ。
友人のエレヴがグレた。

↓エレヴ
 

彼は私の遠い親戚で、「無尽図書館」と呼ばれる広大な迷宮の一部を支配し、飽くなき自らの知識欲を満たすために生きていた。

私と同様、地下に引きこもるタイプの魔王なのだが、私がゲームばっかりやっているのと違い、彼は真面目に研究や読書に没頭していた。
特に何かのテーマに集中して研究するよりは、広範囲に雑学を収集するタイプで、本人曰く「実際ペダンティックで虚学だよw」と気取った態度をとり、むしろ無意味な知識を集めることに矜持を持っていた素振りもあったのだが……

魔法通信(メールのようなものだ)である日、「研究テーマが見つかった」とだけ伝えて来たかと思うと、一月以上音信不通。そして帰ってくるなり、

「メリル、僕、死影に入ったよww」

と連絡してきた。

冗談にしてもたちが悪い、と返すと、
「いやマジだって。死影は新しい勢力だけど、世界そのものをひっくり返す概念を持ってる。僕はやっと、自分にふさわしい研究テーマを見つけたんだ。」

死影。それが何なのか、私も伝聞や書物に書かれている以上の事は知らない。だがウォルナーの民ならば……いや、生物である限り、その存在そのものに対して誰もが違和感や忌避感を感じる。神も魔族も、皆が生理的嫌悪感を感じるほどのものなのだ。

死影は、「死を嗤う」と言われる。全ての生物にとって、生命とはかけがえのないものであり、だからこそ命をかけた行為は尊く、善悪を超えて、死は取り返しのつかないものだ。

しかし死影は、生死を超えた存在だという。元々は「死を超えてリッチやヴァンパイアといった不死の存在へと自らを変質させる魔法技術」から派生したと言われるが、死影は自らを「死や消滅を完全に超越した、不滅の存在」へと昇華するという。

その為に、多くの他者の犠牲を伴う邪法を用いているという。

「究極的には生死なんかどうでも良くて、大事なのは存在していることなんだよ、メリル。」

モニターに映るエレヴが得意そうに言う。背後には、かつての彼には無かった幽鬼のような白いモヤが揺らめいている。

「機密だから言えないことも多いんだけどね。死影に属し、頂点を極めたものは、生死を超えて世界そのものに“存在”が刻まれるんだ。正に不滅だよ。」

「エレヴ……その力を得るために何を犠牲にしたんだ?」

「君は今までに食べたパンの枚数を覚えているのかい?」

見事にネタで返された私だったが、実際これは冗談ではない。エレヴは死影となるために、何らかの形で多くの命を犠牲にしたのだ。
かつての彼は、魔王らしく非情で、酷薄ではあったが、命を弄ぶことは無かった。彼の死影に対する知識欲が肥大した時、彼が奪うことのできる命は、前に進むための燃料に過ぎなくなったのだ。
彼は一線を越えた、命に対して価値を感じなくなり、この世の者では無くなったのだ。

「いや、命に価値はあるよ。メリル。何しろ命を持つものは皆『死に対する恐怖』を持っているからね。死影はその『恐怖』をきっかけにして、本来なら循環する命の核、魂のようなものを捕えて吸収するんだ。囚えた魂は輪廻の輪から外される。死影は、その力を使って自らを、世界の絶対的なシステムである“生死の理“から脱却させているんだよ。

ゲーマーである君に解りやすく説明するとしたら、自分自身のキャラクターのやられ判定を無くすチートって所かな。

末端の死影は、不死の代償として狂気に囚われる。自分が、生と死の循環から離れた事に、強い違和感を感じる為だね。
しかし高い知能を持つ者は、新しい死影としての理を理解し、不滅の存在へと近付くのさ。

そしてその力は、最終的にただ一人の御子の為に集約される……命の理は御子と、そのしもべたちだけの意のままになる。それが世界の“完結”だよ。素晴らしいだろう?」

完全に狂気じみた言葉を吐きながら、エレヴの表情はあくまでも理性的だった。むしろ生き生きとしている。

私は最初、友人が妙なカルトにハマったのかと考えていたのだが、ふと気付いて言った。

「つまり君は、この“世界”というゲームをクリアする為の道を見つけた、と言いたいのか?」

「そう。正にそれだよ。死影は世界の命のありよう……存在の有り様を完結させるルートなんだ。」

「それはゲームをバグらせて、作動不良にさせるだけなんじゃないか?」

「そうかも知れない。」

エレヴは自嘲気味に笑った。

「けど、僕はこの世界が無意味に、無目的に、延々と続いていること自体が耐えられないんだ。僕が雑学を集めてきたのも、どこかに世界にピリオドを打つ方法がないか、求めてきたからなんだよ。メリル。君なら解ってくれると思って話したんだ。終わらないゲームなんてクソゲーだ。そうだろ?」

「残念だけど、僕は君を止める方に回るよ、エレヴ。」

友人との決別を、私は自分でも意外なほど決然と口にした。

「エレヴ、私はね、虚弱体質のクソ陰キャで、人生を楽しんでいるとは言えないが、それでも父王から受け継いだ仕事には責任を感じているし、こんな私を支えてくれる仲間もいるんだ。
それに、最近は終わらないのに面白いゲームだってあるし、何より新作を楽しみに待っているシリーズもある。続きが気になるコミックもある。
僕は100年でも1000年でもひきこもれる自信があるよ。
君のゲームをクリアさせる訳にはいかない。」

「やれやれ」
エレヴは肩をすくめて降参のポーズを取った。
「実際君は、自分が気づいてないだけでリア充だよ。いや、オタ充か。けど安心してくれ。僕達のゲームはクリアまでに相当時間がかかると思う。いきなり君と敵対する必要はないさ。
まあ、気が向いたら死影に入ることも考えてみてくれ。君の“イデア・デザイア”は、設計思想を持って作られた存在の、設計そのものを書き換えられる、唯一無二の能力だ。今後死影が世界を変革するためには、君の能力が必要な気がするのさ。敵にはしたくない。
それに、僕個人としても、ただでさえ少ない友人を失いたくはないからね。」

言いたいだけ言って、「来客のようだ」、と呟いてエレヴはモニターを切った。

私は彼の言葉にほだされなかった。死影は、きっと想像より早く世界に致命的な一撃を加える。彼らの言う「御子」は、近い将来に生まれい出るに違いない。

なぜなら死影は、最近になって地球へも活動範囲を広げ、勢力を増しているからだ。何かに追われるように。何かの準備を進めているかのように。

私は、既知となった東妖軍の軍人に連絡を取ることにした。彼なら再び、倒せるはずのない者を倒す、奇跡の突破口になるかも知れない。

死影の頂点は、四大魔竜 死影王 ザカトー。しかし“彼”は、四大魔竜の一角を崩した「魔竜殺し」なのだから。

■魔人ドゥルダー
十分なATKを持ち、レベル3以上の大型ユニットを破壊した時(他で殴ってからの累積ダメージでもОK)、相手に2ダメージを与える能力を、味方の死影・ダンジョン全員に与えます!
5弾環境からバーサーカーやドラゴンデッキなど、大型ユニットを並べるデッキが流行っていましたが、6弾では更にレべル6などの化け物も出ます。そうしたデッキに対して非常に有効。何しろ「除去指定だけで相手が死ぬ」のですから!もちろん元々死影ユニットが持っている「雷鳴撃」も一緒に発動しますので、効果ダメージだけでどんどん相手を追い込んでいけるでしょう。

何よりドゥルダーは、「死影正規軍」の効果でダメージゾーンに置かれるので、ダメージゾーンから特殊召喚する死影の効果で、再利用も簡単にできます。東妖軍の新規カード“月下美人”も使って墓地から回収し、何度でも使いたいユニットですね。

中々情報開示されなかった“ウルトガルデ”でしたが、遂にテキスト公開です。
御覧ください。見た目に似合った化け物です。相手はイベントを使えず、そればかりか死影と破滅の使者以外のユニットは全て効果を失います!
更に、フォースカードを使用するデッキではダメージ軽減もできるので場持ちもよく、おそらくはこれを使用するデッキでは、「フォースを増やしてウルトガルデを出したら、あとのことは考えずフォースを破棄し、ウルトガルデの効果で押し切る」という形になると思われます。死影、破滅の使者の必殺兵器であり、デッキのキーカードとなるでしょう!

■フェイスコレクター
バニラですが、侵略次元に長らく待ち望まれていた、レベル0ATK5です。
“鎌鼬のジョー”同様、様々なところで使われるでしょう。「侵略次元が入るなら、常に投入を検討するレベル」だと思います。もちろん、★1です。

■吸血姫カリピア
【展開】を持っているので召喚しやすく、手札を切ったりしないDRだけでエナジーを回復してくれる貴重なサポート要員です。
【TD】は非常に強力で、そろそろ死影は手札を尽きさせないよう動けるかも知れません。
【OD】はもしかするとこの6弾環境では、相手に突き刺さるメタ能力になる可能性があります。

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