ゲートルーラー競技環境考察(~2021-3-31)

2021年04月11日   admin

                   

ゲートルーラーの対戦会を運営なさっている「あーちゃん」様から、コンペティティブゲームとしてのゲートルーラーを考察、寄稿いただきました!

ゲートルーラー遊びはじめてみたけどなかなか勝てないなど、頭打ち状態になってしまった方は是非お読みください。ブレイクスルーにつながると思います。

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• 自己紹介

はじめまして。あーちゃんと申します。ゲートルーラーのメタゲーム体験を目的とした、非公式オンライン対戦会「もぎせん」運営をしています。

この度公式サイトのコラムにて、環境考察記事を掲載させていただく運びとなりました。皆様のデッキ選択・構築の参考になれば幸いです。宜しくお願い致します。

•環境推移① ~1弾環境終期~

1弾環境を突き詰めていった結果、ゲートルーラーにおける高強度デッキは下記要素が必要であるという結論に至りました。

  • プレイできないカードを抱えない

ナイトはエナジー制約のもと、初期手札+毎ターンのドロー分、アプレンティスは各ターンカードを2枚使用することができます。ナイトは使用可能エナジーに制限があるため、カードコスト合計4以上のドローをすると少なくとも1枚、そのターンに使用できない手札を抱えることになります。ターン開始時に使用可能エナジーが2枚のみの場合、そのラインは合計3まで下がります。

それに対し、アプレンティスはルール上2枚のカードを確実にプレイできるため、デメリットカードを採用していない限りはプレイできないカードを抱えることはほとんどありません。

ナイトでは、使用不可カードを抱えてさらに自分の首を絞めるようなことを避ける必要があります。

そのため第一弾終期では、ナイトからは高コストカードが抜けてレベル0・1中心の編成に、アプレンティスからはデメリットカード「たたりじゃーー!!」のほか、ユニット不在時に不発となるHP・ATK増強カードが抜けてユニット主体のデッキとなりました。

 

  • CNT効果を妥協しない

前述の通りプレイ可能カード枚数に限りがあるため、CNTによる相手ターン中の妨害・除去・ダメージ行動によって実質プレイ枚数をかさ増ししていくことで相手とのアドバンテージ差、ライフ差をつけるという発想が生まれました。しかし、「ZAPZAPZAP!」はじめ高コストCNTカードは、「ナイトの場合手札からプレイしにくいカード」として自身の首を絞めるカードとなりえます。アプレンティスの場合、引いたとしてもストレスなく使用可能であり、CNTの選択肢という点においてはアプレンティスに軍配が上がる状況でした。

 

  • ユニットを安定供給し続ける

ゲートルーラーにおいて、ユニットはルーラーやユニットにダメージを与える矛であり、身を挺してルーラーを守る盾です。ユニットの数だけ選択肢が生まれるため、ユニットを安定供給することが非常に重要です。

この点において、ナイトの方がアプレンティスよりも優れていました。初期手札二枚とドロー分のなかからユニットを選択して場に出し、毎ターン必ずしもユニットを供給できるわけではないアプレンティスよりも選択肢を持てるからです。

当初は爆発的な攻撃力のある【「たたりじゃーー!!」採用アプレンティスデッキ】を、この安定型ナイトが「たたりじゃーー!!」の不安定さにつけ込む形で勝率を高めていました。
が、東妖軍+マジカルユニバースデッキの研究が進んだ結果、「たたりじゃーー!!」を抜いても高打点を安定供給できる【「たたりじゃーー!!」不採用アプレンティスデッキ】が台頭し、勢力図は一気にアプレンティスに染め上げられました。

⑴赤桃アプレンティス(バーン&ビート、火力コントロール)

強烈なダメージレース環境において生まれた、CNTカードにコストを34使い、残りのスロットを1コストで満遍なく埋めた型です。

こちらは「補給部隊”破間”」「丑三つ時警ら隊員 呼ぶ子」「宇宙ジャーナリスト クリステル」によるリソース確保と山札掘削によるカードプレイの高再現性を追求した型です。火力札、守備札を構えながらユニットを展開し、CNTでの除去行動と併せてリソース差で押し切るデッキです。

⑵ ウォルナー+マジカルユニバース 【アプレンティス 「ディスペル」採用コントロールデッキ】

『相手の「エーテルフィールド」さえ打ち消せばダメージレースで勝利できる』という考え方の元、「ディスペル」採用のために黄色を採用。ダメージレース環境において、ルーラーの3点を防ぐ防御札を未然に破壊、或いは見てから打ち消しという挙動はとても強力でした。

また、ATK 7 / HP 7 / STK 3という1弾環境最上級のスタッツを有する「黄金竜王ゾルター」を4枚採用しており、蓋をして防御札で維持し、制圧するというプランを取ることもできます。

⑶ ATLAS+マジカルユニバース 【アプレンティス 「シュレディンガーの猫」+「OWL」ダメージ回復デッキ】

「シュレディンガーの猫」「グイベル・オブ・ウェールズ」によるダメージの回復挙動に加え、「シュレディンガーの猫」のCNT能力により墓地とダメージゾーンのカード内容をコントロールし、「ハデスの影」や「グイベル・オブ・ウェールズ」の効果を最大限発揮できるリスト。墓地の「太陽系バックパッカー」をダメージに戻すことも可能。

これら4つのデッキに共通するのは「太陽系バックパッカー」の存在です。

このカードはダメージゾーンに溜まっていくため、コストを支払う必要のないアプレンティスは、ドライブのほかにダメージゾーンの「太陽系バックパッカー」も使用可能となり、またエラッタ前のテキストにおいてはコストとなるカードの即時効果を使用可能だったため、ターン内に実質3枚のカードを使用することが可能でした。

つまり、ユニット+即時イベントというようなドライブが、

ユニット+ATK 4 / HP 4 / STK 1ユニット+即時イベント

というドライブに化けるということです。さらに、効果で受ける1ダメージでCNTカードが捲れるなら、

ユニット+ATK 4 / HP 4 / STK 1ユニット+即時イベント+CNT効果+1回復

という挙動となります。

当時多数採用されていた「ZAPZAPZAP!」「ブラスターキャノン」がこの動きに絡むことで、相手の大型スタッツを難なく処理することができました。

• 環境推移②2弾リリース~「太陽系バックパッカー」エラッタ以前

⑴ 東妖軍+マジカルユニバース 【アプレンティス ビートダウンデッキ】

東妖軍に非常に優秀なCNT付き低コストカードがもたらされ、1弾環境で最も安定したビートダウンを展開できたアプレンティスの東妖軍+マジカルユニバースデッキが大幅強化されました。

デッキ内ユニット比率も上がり、イベントだけを引くターンを大幅に減らすことに成功。しばらくはこのデッキが仮想敵として、環境トップに君臨し続けるかと思われました。

⑵ ATLAS+マジカルユニバース 【アプレンティス 火力コントロールデッキ】

2弾収録カード「ダルマゲドン」と1弾環境から使われ続けてきた「宇宙ジャーナリスト クリステル」によりプレイ可能カードを伸ばしていき、リソース差で相手を圧殺するデッキ。

新規カード「アポカリプス」は自身のCNT効果で場にセットされ、任意のタイミングで使用可能となります。採用されている各種火力カードの威力を倍増させるほか、前述の即時カード+「太陽系バックパッカー」の挙動も相まって労せず盤面を滅ぼすことができ、大きなリソース差を形成することが可能に。

また、「スペース・ケイブ」の存在もこのデッキ台頭を後押ししています。

盤面のユニットを無視して相手ルーラーのHPを削る挙動の強烈な裏目が生まれました。

さらに、このカードは「ダルマゲドン」「宇宙ジャーナリスト クリステル」両者に対応する防御カードであり、引いても無駄がありません。相手に盤面処理を強要し、なけなしの攻撃も防御カードに阻まれる。そのくせ自身はリソースを伸ばし続けるこのデッキは1弾環境top群を過去のものとしました。

「空飛ぶスパゲッティ・モンスター」も前評判通り健在であり、「ダルマゲドン」と「宇宙ジャーナリスト クリステル」でセット可能というシナジーもあります。

前述のアプレンティスの東妖軍+マジカルユニバースデッキは「スペース・ケイブ」「ダルマゲドン」「空飛ぶスパゲッティ・モンスター」の存在により非常に厳しい立場となります。

「今までの常識が通用しない」

2弾環境の幕開けは、非常にショッキングなものとなりました。

ユニットを出し合ってルーラーのHPを削りあうダメージレース環境から、盤面優位を確立するコントロール環境へ推移していきます。

• 環境推移③「太陽系バックパッカー」エラッタ以後~現在

「太陽系バックパッカー」の即時挙動をとても強く使えていたこのATLAS+マジカルユニバース【アプレンティス 火力コントロールデッキ】は、エラッタの影響をとても強く受けました。

それでもアプレンティスにあるまじきリソースを確保できることには変わりありませんが、HP 5ラインを容易には突破できなくなりました。

今までは「太陽系バックパッカー」に適当な即時火力カードを踏ませるだけで事足りていましたが、その挙動ができなくなったため、火力カードで誤魔化しきれないユニットのスタッツの低さが如術に現れます。その隙をついて台頭したのが東妖軍+ウォルナーの【ナイト 創生召喚デッキ】でした。

⑶ 東妖軍+ウォルナー 【ナイト 創生召喚デッキ】

新カード「従軍魔術師 アルケッタ」により今までの創生召喚デッキが抱えていた、採用せざるを得ない低スタッツユニット群をデッキから廃し、代わりに0レベル優良戦士ユニットを採用できるという点、「帝国魔術師 シオリ・ローディア」と合わせて8枚体制となる点において非常に強化されました。

HP 5を除去することが困難になったアプレンティス系デッキに対し、この0レベル戦士ユニットによってダメージカットをするという挙動は有効でした。

「新宿改札口」によりドローソースも追加され、「帝国魔術師 シオリ・ローディア」「従軍魔術師 アルケッタ」を探しながら0マナユニット、イベントを手札に抱え、ダメージカット札+創生召喚という展開で盤面に高スタッツユニットを展開、ユニット主体のデッキならば「竜型決戦兵器 “鳴雷”」、セットカードで耐久するデッキならば「龍鬼大禍津日」を選択。「ダルマゲドン」+「ダルマゲドン」のような理不尽展開をされていても、二種類のレジェンドカードで難なく除去して再度盤面優位を取り返すことができます。

「アプレンティスにあるまじきリソース行動」で伸びたリソースを、創生召喚によって刈り取っていく。創生召喚したユニットは、引き込んだ各種盾カードで維持することでさらにアドバンテージ差をつけることができます。

創生召喚は2弾カードプールで「環境デッキ」に昇華しました。トップメタの一角です。

しかしこのデッキは二弾環境冒頭の東妖軍+マジカルユニバース 【アプレンティス ビートダウンデッキ】の「三仙姑」の通りが非常によく、またCNTでの除去もないため苦戦を強いられます。エラッタこそありましたが、リソースが伸びるATLAS+マジカルユニバースのアプレンティスに対して依然として不利である東妖軍+マジカルユニバースのアプレンティスという構図に変わりはないため、これにて三竦みの関係が成り立つと言えます。

  • 今後の注目カード、アーキタイプ

1弾環境において非常に高い制圧力を誇ったウォルナー+マジカルユニバースのアプレンティスは、低コスト防御カードの種類が増えた今環境においても依然として強力であると考えられます。

また、上記黄桃の「黄金竜王ゾルター」や創生等で大型ユニットが増えるのであれば、「デスティニー・ソード」を搭載できる侵略次元のタッチ、或いは「黄金剣」採用も視野に入ります。

また、深淵召喚の新カード「バラム・レム・レクス(我が魂すでに闇と共にあり)」に特化した、非常にCNTバリューの高いデッキもチャンスがあると見ています。盤面形成、確定除去が今後の環境のカギを握っていると考えられます。今後の環境の推移にも目が離せません。

今後、ウィザードやバーサーカーの有力デッキ台頭と、それによる環境の激変を祈って、終わりの言葉と代えさせて頂きます。

長文にお付き合いいただき、有難うございました。

 

 

Special thanks!記事執筆にあたり、デッキリスト公開に快諾していただいた友人各位

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