「魔とは人と蔓まぬ物よ。まつろわぬ物よ。」人と協調する事を良しとせぬ怪異達を率いる大妖、神野悪五郎は、東妖軍の創成期に乱を起こした。妖怪達の世界は真っ二つに分かれ、本来、人の目に見えない筈の妖怪大戦は人界にも被害をもたらした。
元凶となった神野悪五郎も、これを天地の理に鑑みて良しとせず、長年のライバル「山ン本五郎左衛門」を仲介役として矛を収めた。神野は、日本全土を覆った淀んだ空気を吹き飛ばす勢いで大笑したという。「負けた負けた!わっはっは!詫びは俺一人で入れさせてくれ!」
生来、勝負事に目がなく、取り立ても勝者への報奨もキッチリ筋を通す神野は、大乱の責任をとって東妖軍に助力することを誓ったのだった。