■総評
■総評
こんにちは、ゲートルーラー開発の池田です。今回もゲートルーラー名物、ユニットの名称募集コンテストにたくさんのご応募を頂き、ありがとうございます。
毎回同じ話を持ち出して恐縮なのですが、募集時に書かれていた「設定」からテーマを読み取り、名前を考えるのが当コンテストの肝です。
さて今回は、いきなり最優秀賞の発表ではなく、候補作を幾つかご紹介してからの発表と参りましょう!
五大竜王 創造皇 メガロ・ディミオルゴ
— hideo_ishii (@hideo_ishii) May 28, 2021
ギリシャ語の偉大→メガロス
ギリシャ語の創造する→ディミオルゴ
から名前をつけました。語感的にも強そうなイメージで。
実は日本人的にはカッコいい語感の言葉を探すのが難しい、ギリシャ語でうまく纏めている所がお見事です。
何なら「メガロス」だけの方が、「五大竜王」から全部口に出した時に、まとまりとして良かったかも。
ただ、それだけだとまんますぎる、とご判断されたのかな。
五大竜王 紫放皇(しほうこう) ヴェリアス・エッジ
— しょー (@morishoVG) May 30, 2021
とにかく語感を良くし、言いたくなる名前を目指し命名しました
名前の由来は、さまざまな(various)刃(edge)を、封印と共に解き放つ紫の竜、という意味を込めました
見た目を表し、名前も語感よし。まるでお手本のような、上位候補作の一つです。
前置きの話だと、「現役の強さより、意味のない戦いに飽き、無意味に力を振るわない設定」を取り込んでいる方が、より設定に忠実と言えます。
ただ、「それは直接的な言葉で表現するとかっこ悪くなりがち」と判断し、ひねっている所が良いですね。
紫放皇という名前から、「刃を封印とともに解き放つ」という意識付けはされており、そう言われると同心円状に収められている刃は、「本気を出すと更に凄いことになる」ように見えます。
「放つ」という言葉により、背に収められている状態の剣がSF無人戦闘機の如く飛び回るビジュアルが浮かびます。名前のおかげで設定が広がる好例ですね。
「力を無為に使ったりはしない、真の実力者」
という設定に厚みを与えています。
問題点は一切ないと思われる作品ですから、後は単に「他の、同様に出来のよい作品との競合」に過ぎませんでした。
"Majestic Overlord Dragon, Sheva of the 100 Blades"
— Can't Wait to DeLete (@KenyonTate1) May 28, 2021
海外からのご応募です。今回は日本版の収録となりますので、翻訳して選考候補に入れさせていただきました。
ご提案いただいた、
“Majestic Overlord Dragon, Sheva of the 100 Blades”
は、むしろそのまんま読んだ方がカッコいい名前!
「覇王皇 百刃のシェバ」と翻訳させて頂くと、設定とも乖離なく、ビジュアルとも合致しているので、初見でも違和感ありません。
「シェバ」という名前は語感的に日本人にとって初見ではピンときませんが、それ故に異世界感がありますし、インドの「シバ神」を想起させて「戦神」「強そう」とのイメージが直感的に伝わります。
そもそも、英語圏の方がシバ神の名前を流用しようとして、「シェバ」になったのかも知れません。
五大竜王 輝刃皇 ブライヴェルト
— ボルハザーク (@hP0CHvBlHFGUzN7) May 28, 2021
名前の由来は英語で輝くという意味のbrightとドイツ語で剣を意味するschwertからです。
ボルハザークさんは以前のドラゴンコンテストにおいて、「士竜王 エクイエス」で最優秀賞を取られており、毎回、名称コンテストで優勝候補に入る方なのですが・・・・・・
どうして、いつも僕のセンスにドストライクを投げ込んでくるのでしょう?! 今回も候補作です。ここまで来ると、なんだか悔しい!
「ドイツ語にすればカッコいいの定理」
は、ぶっちゃけ世間で言われている程ではなく、実は何でもドイツ語にすれば良いってものではありません。
むしろ僕なんて、ありふれた名前にしない為に、わざとドイツ語の使用率を減らしたりしているぐらい(最近はへヴライ語がブーム)なのですが……
もう、これは、「上手なドイツ語の使い方」の教科書としか言えないような命名です。
覚えやすいし、口に出してカッコいい。
「一度採用された人は採用されにくい」というルールは一切ありませんし、事実、今回も最終候補に残りましたが、最後の最後はもう、本当に僅差で他作品に座を譲った感じです。
五大竜王 創刃皇 アルティジーグ
— けー (wtkn) (@wtken) May 28, 2021
究極の勝利、からの造語です。
設定から、龍悟に至る過程で彼にとってその意味は変わりながらも、究極の勝利を体現する存在であり続けている、と読み取りました。
設定からの読み取りと、落とし込みがお見事。名称の選択も文句なしです。「そうじんおうあるてぃじーぐ」と口に出したときの淀みの無さも高ポイントです。
率直に言いまして、
「悪い所が一切なく、万人に受け入れられやすそう。誰も文句をいわなさそう。」
という、意味合いにおいてはグランプリです。癖の無さで選ぶならこの作品でした。
五大竜王 万刃皇 グラムドヴェルグ
— 大江山 Do-Z (@Stein_Do_Z) May 29, 2021
「ばんじんこう」は良いですね。「グラムドヴェルグ」も言葉として最高にドスが効いていて、ドラゴンの名前としては文句なしです。
だけどちょっと、今回のドラゴンの優美さから離れているかも……という部分で引っかかりました。
だからむしろ、他のドラゴンに採用したいかっこよさです。いやマジで、この名前のために新しいドラゴンを作りたいぐらい?!
創英皇 バルゼノス
— カミナK (@kamina_K1) May 31, 2021
スッと入ってくるカッコいい系。
何も説明しておられませんが、設定から「英雄に力を貸す者なのだろう」と読み取り、「創英皇」と名付けたのだろう、とは伝わります
バルゼノスという名前もヒロイックで、ちょっとアホな感想で申し訳ないんですが、音感から剣でズバズバ斬り込む姿がイメージされるのも高ポイントでした。
五大竜王 剣武皇 ドルク・ガイーヌ
— かぼサラ (@3RTjjNi9swk5ZcC) May 31, 2021
(ケンブオウ)
クラシック音楽の剣の舞から名付けました。
イラスト美しい!
剣武皇を剣舞とし名前のドルク・ガイーヌと合わせて考えると、バレエ「ガイーヌ」とその挿入曲「剣の舞」から名前を取ったのでしょう、中々のセンス。
「ドルク」はノルウェー語の「短剣」かな?剣の舞に合ってそうだけど、ノルウェーとは関係あったっけ……?
その辺りが気になりました。ドルクは何の意味だろう。
五大竜王 戦慧皇 グァドラス•ミステリオン pic.twitter.com/DUzoedud28
— 並行世界の一般ウラモグ (@Vanderful_days) May 31, 2021
自分なりに設定を深め、意識的にかっこいい言葉を作ろうとしている所に好感が持てます。特に「グァドラス」がカッコいい。
ですが、ゲートルーラーにはすでに「白霧のミュステリオン」が居るので、残念ながら名前が被ってしまいました。
同じTCG内で設定も何も関係ない別キャラクターの名前が被るのは避けたいので……大変申し訳ありません。
「ミステリオン」の部分が別であれば、優勝していたかも知れない作品です。
さて、お待たせ致しました。いよいよグランプリの発表です!
幾つかの素晴らしい作品を紹介させていただきました。マジでどれが採用されてもおかしくなかった!
だからグランプリ作品も、ぶっちゃけた話、今までの作品を大きく上回るものではありません。設定にあっている、語感がいい、全てをクリアしていても、あくまで僅差、他とは僅差での勝利です。
だけど、ぶっちゃけ耳に残る!単純に直球でカッコいい!
五大竜王 千刃皇 ヴァン・レイン
— ゲームスマン PAT (@gamesmantss_PAT) May 29, 2021
千刃は戦神と掛けています
ヴァンは万を格好良くした感じ
レインは雨。弾丸の雨の他に、流動する体、引退したという設定から水を連想。だが篠突く雨の様に激しい勢いも内に秘めているイメージ
千の刃で敵を屠り、万の雨にて全てを穿つ、千刃皇ヴァン・レイン!
目新しさはありませんが、名前の意味も言葉の響きも過不足なく纏まっており、何より一度聞いたら忘れられないほど耳に馴染みます。
ありふれた名称に見えますし、事実そうですが、「完成度」で言えば他の追随を許さない作品でしょう。
そして何より、「口に出したときのヒーロー感」がヤバい。なんだこれ。アニメのタイトルか。
「千刃皇」とつけた作品は他にもありましたが、これは「千の剣を持つ王」から転じて、「あらゆる武器を操る技術と知識を修めた存在」と読み取れます。
難しい漢字ではないので、誰でも間違いなく「せんじんこう」と読めるでしょうし、ちゃんと濁音も入っていて耳障りも悪くなく、設定に沿った意味も通っています。
そして何より、「せんじんこう」と読んだ後の「ヴァン・レイン」がキマり過ぎている。カードを出しながら、「ヴァン! レイン!!」と見得を切りたくなります。
爆発する豪雨のごとく、無数の武器や攻撃を雨あられと叩き込む。ヴァン・レインという名前からはそういったビジュアルが浮かびます。
唯一引っかかったのは、名前がカッコよすぎて、ミステリアスさや優雅さに欠けるかな?との疑念でしたが、結局の所、設定とのマッチングの高さと名前の響きのかっこよさ、何より読みやすさと覚えやすさで、抜きん出ていると判断しました。
おめでとうございます。ゲームスマンPATさん。貴方の作品が採用です!
製品化されたカードのテキストボックス内に、貴方の名前を記載させて頂きます!
というわけで今回は、ゲームスマンPATさんの「五大竜王 千刃皇 ヴァン・レイン」に決定しました。ここで紹介した以外にも多数の応募作品があり、どれも素晴らしいものでした。
もし次回開催される場合には、更なる力作を開発一同お待ちしております。
今後ともゲートルーラーをよろしくお願いいたします。
五大竜王 紫宝皇 メティスタ
— 駄文 修 (@CheapBunsyo) May 29, 2021
紫宝華という花には、有為転変という花言葉があり、同じ紫ですし、悟った竜というイメージにも沿うと思いました。メティスタはamethystを弄っていたら出来ました。宝石言葉は真実の愛。いつか変わってしまうものだと分かっていても信じていたい、そんな優しい竜さんです。
「紫宝」という言葉が「至宝」とのダブルミーニングになっている所にセンスを感じます。「メティスタ」という女性的な名前も美しく、僕にはない独自の言葉選びのセンスを感じました。
五大竜王に女性的なドラゴンは1体ぐらいあるべきだとは思いますが、今回はそのように設定していた訳ではないので、惜しくも選外となりました。
しかし、この名前がつくことを前提に、女性ドラゴンを作りたく成るほどには、魅力的な作品だったと思います。
五大竜王 閃明皇 ドレガ・イイカナン
— どら (@sai_r18) May 28, 2021
全武器を把握できたら最強の兵器を探し、最終的に自分で考え出すはず。架空も含めた全世界の武器に対する想像の延長線上の先で最強を想像し続ける想像力と進化の存在。そんな自分に名前をつけるならきっと一つに絞れないはず。
「我の名か?どれがいいかな」
ご本人も真面目に応募されたのではないと思いますが(笑)
「ドレガ・イイカナン」という名前の脱力具合は僕のセンスにドロップキックをカマしました。
「五大竜王!閃明皇!」までカッコよくキメといてからの
「ドレガイイカナン?」
「閃明皇」という言葉が、候補作になり得るほどかっこよかっただけに、それをゴミ箱に叩き込むかの如き無駄遣いっぷりに脱帽です。
一時間分ぐらいの気力を吸い取られました。
こういうのは、マジカルユニバースでやりましょう。(笑)
最後まで読んでくださった皆様に、ちょっとだけ先行情報を。
このレジェンドカードは、攻防ともにおいて強力なユニットになります。
高いATKと、STKで……2回攻撃を持っています!
お楽しみに!
■総評
こんにちは、池田です。今回もゲートルーラー名物、ユニットの名称募集コンテストにたくさんのご応募を頂き、ありがとうございます。
毎回同じ話を持ち出して恐縮なのですが、募集時に書かれていた「設定」からテーマを読み取り、名前を考えるのが当コンテストのキモ。
設定の正しい把握は大事です。なぜなら、名は体を表すもので、だからこそ当コンテストでは毎回、「そのキャラクターの設定」をご説明しているわけですから。
設定を消化しつつ、意味として正しく、それでいて耳障りのカッコいい言葉を使った作品が選ばれます。今後もチャレンジされる方は、ぜひ留意してみてください。
さて今回は、いきなり最優秀賞の発表ではなく、候補作を幾つかご紹介してからの発表と参りましょう!
■今補作発表!
◯hideo_ishiiさん
「五大竜王 創造皇 メガロ・ディミオルゴ」
https://twitter.com/hideo_ishii/status/1398257365066022914
実は日本人的にはカッコいい語感の言葉を探すのが難しい、ギリシャ語でうまく纏めている所がお見事です。
何なら「メガロス」だけの方が、「五大竜王」から全部口に出した時に、まとまりとして良かったかも。
ただ、それだけだとまんますぎる、とご判断されたのかも。
◯ななあき さん
「五大竜王 極載王 ゴウガアルム」
https://twitter.com/seven_fall/status/1398276465020477445
中々に独自の語感を持つ名称です。オリエンタルな言語が好きな方、あるいはこのドラゴンの「四本腕」「放射状の張り出し物」に東洋的なイメージを重ねた方には、この名前が最優秀だと感じられるかも知れません。わかります!
「ゴウガ」という響きにドスが効いており、「アルム」で学術的なイメージを付与しています。「耳に新しく、かっこいい名前」を作るのは非常に難しいものですが、この作品はそういった意味で今回ナンバーワンかと。新しい言葉を作れる、見事な才能です。
ですが「極載王」の部分がもう、いすゞの新型トラックの商品名にしか見えません。
新型トラックの名前に「極載王!!」とつけると馬鹿売れするんじゃないかと思うぐらい、マジでイケてます。
ドラゴンではなく、トラックの名前としてですが。(笑)
あと「王」ではなく「◯◯皇」なので・・・・・・
「極載皇」だと響きが微妙ですしね・・・・・
色々と惜しい!
ななあきさんはDiscord酒場の常連さんなのですが、このエピソードは酒のツマミになりますな!(ひどい)
◯しょー さん
「五大竜王 紫放皇(しほうこう) ヴェリアス・エッジ」
https://twitter.com/morishoVG/status/1398808879534723074
見た目を表し、名前も語感よし。まるでお手本のような、上位候補作の一つです。
前置きの話だと、「現役の強さより、意味のない戦いに飽き、無意味に力を振るわない設定」を取り込んでいる方が、より設定に忠実と言えます。
ただ、「それは直接的な言葉で表現するとかっこ悪くなりがち」と判断し、ひねっている所が良いですね。
紫放皇という名前から、「刃を封印とともに解き放つ」という意識付けはされており、そう言われると同心円状に収められている刃は、「本気を出すと更に凄いことになる」ように見えます。
「放つ」という言葉により、背に収められている状態の剣が射出され飛び回るビジュアルが浮かびます。名前のおかげで設定が広がる好例ですね。
「力を無為に使ったりはしない、真の実力者」
という設定に厚みを与えています。
問題点は一切ないと思われる作品ですから、後は単に「他の、同様に出来のよい作品との競合」に過ぎませんでした。
実は今までのコンテストの後にも、Discord酒場(池っち店長が主催している毎週土曜日のオンライン飲み会。誰でも参加可能。)などで、応募者から、
「問題が一切ないなら、なぜ自分の作品は優勝ではなかったのか」
という質問をよく受けていたのですが、これの答えはシンプルで、
「申し訳ないが、採用作品は無限に選べないから」
という事なのです。
最高の名前が5つあったとしても、どれかを選ばなければなりません。最後の最後の判断は、理屈だけではありませんからね。
◯Can’t Wait to DeLeteさん
「覇王皇 百刃のシェバ」
https://twitter.com/KenyonTate1/status/1398369988508065792
海外からのご応募です。「◯◯皇」の部分を漢字にすることは、流石に海外の方には難しい命題でしたので、翻訳して選考候補に入れさせていただきました。
ご提案いただいた、
“Majestic Overlord Dragon, Sheva of the 100 Blades”
「マジェスティック・オーバーロードドラゴン シェバ オブ ザ ハンドレットブレード(ブレイズ)」
は、むしろそのまんま読んだ方がカッコいい名前!
「覇王皇 百刃のシェバ」と翻訳させて頂くと、設定とも乖離なく、ビジュアルとも合致しているので、初見でも違和感ありません。
「シェバ」という名前は語感的に日本人にとって初見ではピンときませんが、それ故に異世界感がありますし、インドの「シバ神」を想起させて「戦神」「強そう」とのイメージが直感的に伝わります。
そもそも、英語圏の方がシバ神の名前を流用しようとして、「シェバ」になったのかも知れません。
採用作となれば、翻訳しての使用となった為、厳密には応募要項には即していないのですが、海外の方には難しすぎるルールである事を留意し、候補作とさせていただきました。今後こういった作品が採用される可能性も含めて、皆様のご理解をお願いいたします。
◯ボルハザークさん
「五大竜王 輝刃皇 ブライヴェルト」
https://twitter.com/hP0CHvBlHFGUzN7/status/1398282953122193411
ボルハザークさんは以前のドラゴンコンテストにおいて、「士竜王 エクイエス」で最優秀賞を取られており、毎回、名称コンテストで優勝候補に入る方なのですが・・・・・・
どうして、いつも僕のセンスにドストライクを投げ込んでくるのでしょう?! 今回も候補作です。ここまで来ると、なんだか悔しい。(笑)
「ドイツ語にすればカッコいいの定理」
は、ぶっちゃけ世間で言われている程ではなく、実は何でもドイツ語にすれば良いってものではありません。
むしろ僕なんて、ありふれた名前にしない為に、わざとドイツ語の使用率を減らしたりしているぐらい(最近はへヴライ語がブーム)なのですが……
もう、これは、「上手なドイツ語の使い方」の教科書としか言えないような命名です。
覚えやすいし、口に出してカッコいい。
「一度採用された人は採用されにくい」というルールは一切ありませんし、事実、今回も最終候補に残りましたが、最後の最後はもう、本当に僅差で他作品に座を譲った感じです。
◯けー (wtkn)さん
「五大竜王 創刃皇 アルティジーグ」
https://twitter.com/wtken/status/1398416284694446080
設定からの読み取りと、落とし込みがお見事。名称の選択も文句なしです。「そうじんおうあるてぃじーぐ」と口に出したときの淀みの無さも高ポイントです。
率直に言いまして、
「特別に突出した魅力には欠けるが、悪い所が一切なく、万人に受け入れられやすそう。誰も文句をいわなさそう。」
という、防御的な意味合いにおいてはグランプリです。癖の無さで選ぶならこの作品でした。
◯大江山 Do-Zさん
「五大竜王 万刃皇 グラムドヴェルグ」
https://twitter.com/Stein_Do_Z/status/1398566907662331908
「ばんじんこう」は良いですね。「グラムドヴェルク」も言葉として最高にドスが効いていて、ドラゴンの名前としては文句なしです。
だけどちょっと、今回のドラゴンの優美さから離れているかも……という部分で引っかかりました。
だからむしろ、他のドラゴンに採用したいかっこよさです。いやマジで、この名前のために新しいドラゴンを作りたいぐらい?!
◯カミナKさん
「創英皇 バルゼノス」
https://twitter.com/kamina_K1/status/1399303278404407299
スッと入ってくるカッコいい系。何も説明しておられませんが、設定から「英雄に力を貸す者なのだろう」と読み取り、「創英皇」と名付けたのだろう、とは伝わります。バルゼノスという名前もヒロイックで、ちょっとアホな感想で申し訳ないんですが、音感から剣でズバズバ斬り込む姿がイメージされるのも高ポイントでした。
◯かぼサラ さん
五大竜王 剣武皇 (ケンブオウ)ドルク・ガイーヌ
https://twitter.com/3RTjjNi9swk5ZcC/status/1399323483906084871
ハチャトゥリアンの「剣の舞」はバレエ「ガイーヌ」の挿入曲。そこから名前をとったのは中々のセンス。
「ドルク」はノルウェー語の「短剣」かな?剣の舞に合ってそうだけど、ノルウェーとは関係あったっけ……?
その辺りが気になりました。ドルクは何の意味だろう。説明があれば安心して評価することができたのですが。
◯並行世界の一般ウラモグ さん
五大竜王 戦慧皇 グァドラス•ミステリオン
https://twitter.com/Vanderful_days/status/1399340868809609230
自分なりに設定を深め、意識的にかっこいい言葉を作ろうとしている所に好感が持てます。特に「グァドラス」がカッコいい。
だけど、「ミステリオン」がまずかった。ゲートルーラーにはすでに「白霧のミュステリオン」が居るので、名前が被ります。
他のTCGのキャラクターと名前がある程度被るのは問題ないのですが(他のTCGでもよくあることですし、商標的に登録されているもの以外は問題ありません。)、同じTCG内で設定も何も関係ない別キャラクターの名前が被るのは良くありません。
「ミステリオン」の部分が別であれば、優勝していたかも知れない作品です。
■採用作発表!
さて、お待たせ致しました。いよいよグランプリの発表です!ドラムロール!
幾つかの素晴らしい作品を紹介させていただきました。マジでどれが採用されてもおかしくなかった!
だからグランプリ作品も、ぶっちゃけた話、今までの作品を大きく上回るものではありません。設定にあっている、語感がいい、全てをクリアしていても、あくまで僅差、他とは僅差での勝利です。
だけど、ぶっちゃけ耳に残る!単純に直球でカッコいい!
ゲームスマンPAT さん
「五大竜王 千刃皇 ヴァン・レイン」!!
https://twitter.com/gamesmantss_PAT
目新しさはありませんが、名前の意味も言葉の響きも過不足なく纏まっており、何より一度聞いたら忘れられないほど耳に馴染みます。
ありふれた名称に見えますし、事実そうですが、「完成度」で言えば他の追随を許さない作品でしょう。
そして何より、「口に出したときのヒーロー感」がヤバい。なんだこれ。アニメのタイトルか。
「千刃皇」とつけた作品は他にもありましたが、これは「千の剣を持つ王」から転じて、「あらゆる武器を操る技術と知識を修めた存在」と読み取れます。
難しい漢字ではないので、誰でも間違いなく「せんじんこう」と読めるでしょうし、ちゃんと濁音も入っていて耳障りも悪くなく、設定に沿った意味も通っています。
そして何より、「せんじんこう」と読んだ後の「ヴァン・レイン」がキマり過ぎている。カードを出しながら、「ヴァン! レイン!!」と見得を切りたくなります。
爆発する豪雨のごとく、無数の武器や攻撃を雨あられと叩き込む。ヴァン・レインという名前からはそういったビジュアルが浮かびます。
唯一引っかかったのは、名前がカッコよすぎて、ミステリアスさや優雅さに欠けるかな?との疑念でしたが、結局の所、設定とのマッチングの高さと名前の響きのかっこよさ、何より読みやすさと覚えやすさで、抜きん出ていると判断しました。
おめでとうございます。ゲームスマンPTAさん。貴方の作品が採用です!
製品化されたカードのテキストボックス内に、貴方の名前を記載させて頂きます!
■おまけ。
選外だけど良かったもの。
◯駄文修 さん
「五大竜王 紫宝皇 メティスタ」
https://twitter.com/CheapBunsyo/status/1398664290890960897
「紫宝」という言葉が「至宝」とのダブルミーニングになっている所にセンスを感じます。「メティスタ」という女性的な名前も美しく、僕にはない独自の言葉選びのセンスを感じました。
ただ、やはり「女性名の付いたドラゴンには、一定数のファンが居るが、多数派ではない」という所が引っかかりました。
五大竜王に女性的なドラゴンは1体ぐらいあるべきだとは思いますが、今回はそのように設定していた訳ではないので、惜しくも選外となりました。
しかし、この名前がつくことを前提に、女性ドラゴンを作りたく成るほどには、魅力的な作品だったと思います。
◯どら@TCG、ボードゲーム大好き さん
「五大竜王 閃明皇 ドレガ・イイカナン」
https://twitter.com/sai_r18/status/1398285611153313795
ご本人も真面目に応募されたのではないと思いますが(笑)
「ドレガ・イイカナン」という名前の脱力具合は僕のセンスにドロップキックをカマしました。
「五大竜王!閃明皇!」までカッコよくキメといてからの
「ドレガイイカナン?」。
「閃明皇」という言葉が、候補作になり得るほどかっこよかっただけに、それをゴミ箱に叩き込むかの如き無駄遣いっぷりに脱帽です。
一時間分ぐらいの気力を吸い取られました。
こういうのは、マジカルユニバースでやりましょう。(笑)
最後まで読んでくださった皆様に、ちょっとだけ先行情報を。
このレジェンドカードは、攻防ともにおいて最強レベルのユニットになります。
高いATKと、STK2で……2回攻撃を持っています!
お楽しみに!
PS
余談ですが、当コンテストの特徴として、ご応募された方々から、
「次回に活かすために、むしろダメだった作品のダメな理由を教えて欲しい!」
という、前向きなご意見が多く寄せられる点がございます。
これが実に役に立つ意見でして、実際の所名称コンテストの「常連さん」の多くは、ダメだった部分を指摘され、その点を改善して応募してこられた方がとても多いのです。
確実に実力を伸ばしておられる。
なので今回も、「この作品のここがアカンかった」という記事を書こうと思ったのですが、ご応募いただいた作品に対し「ダメ出し」を指摘するのは、公式の記事では憚られます。
その意義を理解せずに、「何という傲慢な公式記事だ」とのご指摘をされる方もいらっしゃるでしょう。
ですからそういう記事は、僕の個人的なツイッターで行うか、Discord酒場でお話します。次回に向けての向上心のある方は、ぜひ御覧ください。
(デイスコード酒場は、オンラインサーバー「カードキングダムDiscord店」内にて、毎週土曜日よる8時ぐらいから開かれています。基本的にゲートルーラーコミュニティで、誰でも参加可能です。