(新規イラストのごく一部のみ開示)
日本神話における大雷は、強烈な雷の威力そのものを表すという。
竜型決戦兵器・大雷は、他の竜神とは全く違う技術体系で作られた、「呪術兵器」である。
その本体は、サラマンダーエンジンと直結された直径5メートルの「竜神の面」であり、そこに憑依した「怒れる神のエネルギー」そのものを竜神の霊体として出力して、巨竜のゴーストを生み出す。
そして、そのゴーストに鎧をまとわせた姿をオオイカズチと呼ぶ。
日本には、強い怨念を持って死んだ後、人々に災厄を齎す悪神となった、いわば「祟り神」をも信仰し、その怒りを沈め、時にはその荒々しい力をより悪しき物にぶつけて相殺する、という神事が存在する。
そういった呪いの力を守護者とする技法を、竜型決戦兵器へと転用したものがオオイカズチだと言えるだろう。
ひとたび顕現したオオイカズチは、制御不能の暴れ狂う災厄として、周囲のものを破壊し尽くす。
よってオオイカズチの起動承認がなされるのは、侵略次元による「大規模で、壊滅的な侵攻」が行われたときのみである。
今までにオオイカズチの起動承認が降りたのは第二次次元防衛戦の時のみで、地表市街地(防衛都市東京の「本体」は地下にある)の被害の70%は、オオイカズチによるものと判明している。
しかし、かつてない規模の大侵略を撃退することができたのもまた、怒れる祟り神、オオイカズチの戦果なのだ。