総合ルールアップデートについて

2021年03月18日   進藤欣也

                   

ゲートルーラーの総合ルール対応の進藤です。

ここでは今回総合ルールを更新するにあたり、追加や変更になったルールを、変更分に関してはその理由も加えて解説していきます。よろしくお願いします。

※2021/3/20 一部誤字脱字修正

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目次

● ルールの変更点

以下は以前からあったルールを、第2弾の発売に当たって変更した部分の解説です。

○ 戦闘ダメージのルールの変更

これまでは戦闘ダメージは「ダメージステップ中にルールにより発生するダメージ」に限定していましたが、ユニットやルーラー同士が戦闘によって互いに与え合うダメージは戦闘ダメージに分類されるとするのが直感的ではないか(特に【迎撃】や【貫通】)という議論があり、ゲートルーラーデザイン側もその方向で同意するとのことでした。かといって、それを無制限にアタックフェイズ中の全ての能力に広げるのも、かえって混乱を招きます。

以上を検討した結果、戦闘中のキーワード能力のうち、【迎撃】【貫通】【反撃】はそれぞれ戦闘に属するダメージであるという結論になり、この3つが戦闘ダメージに分類されることになりました。同時にこれらによるダメージは効果ダメージではなくなります。

実際のゲームへの影響としては、以下が想定されます。

  • 《エーテルフィールド》《アブソリュート・ベアリア》《ミスター死語》等は【貫通】によるダメージを0にします。
  • 【迎撃】や【反撃】のダメージは、《Guns&Gold兵器工廠》や《特技兵 スポッタージラフ》の効果を適用されなくなります。
  • 《カミガカリ》や《サクラノセイ》の「障り」は、【迎撃】や【反撃】でのダメージにより誘発します。
  • 《鏡鱗のヴァリエレ》は【迎撃】や【反撃】のダメージを受けます。

○ 【貫通】と【反撃】の定義の変更

これまでのルールでは、【貫通】は「守備ユニットの破壊」を誘発条件とし、同様に【反撃】は「ユニットがダメージを受けて墓地に置かれなかったこと」を誘発条件としていました。しかしそのために、例えば

  • 攻撃を受けた守備ユニットが【ソウルガード】や《そんなダメージは気のせいだ!》で場に残ったのに【貫通】が発生する。
  • 【貫通】を持つユニットが攻撃ゾーンを攻撃し、戦闘ダメージがゲートに置かれている状況で攻撃を受けたユニットが守備ゾーンに移動すると、攻撃ゾーンを攻撃しているのに【貫通】が誘発する。
  • 【反撃】はダメージを受けた後に回復するとダメージを与えるのに、受けるダメージ自体を0にしてしまうとダメージを与えない。

といった、直感的でない奇妙な事例が発生していました。

これに対応するために、ダメージステップを「戦闘ダメージの処理前」「戦闘ダメージの処理中」「戦闘ダメージの処理後」の3つのゲート処理に分割し、【貫通】と【反撃】をそれぞれ「戦闘ダメージの処理前に必要な条件を確認し、それが満たされている場合、戦闘ダメージの処理後にもう1度条件を確認し、それも満たされている場合にダメージを与える」という能力に定義を変更しました。

具体的には、【貫通】は以下のようになります。

  • 攻撃しているユニットの戦闘ダメージを処理する前に、【貫通】を持っていて、相手の守備ゾーンのユニットを攻撃している。
  • 戦闘ダメージの処理後に、相手の中央ラインを攻撃していて、相手の守備ゾーンにユニットがいないなら、STK分のダメージを相手ルーラーに与える。

【反撃】は以下のようになります。

  • 攻撃しているユニットの戦闘ダメージを処理する前に、【反撃】を持っていて、相手のユニットに攻撃されている。
  • 戦闘ダメージの処理後に、このユニットがまだ場に残っていて、相手のユニットに攻撃されているなら、ATK分のダメージをその攻撃ユニットに与える。

実際のゲームへの影響としては、以下が想定されます。

  • 【貫通】や【反撃】が誘発するためには、ダメージステップよりも前にその能力を持っている必要があります。戦闘ダメージの処理に入った後に、《生者必滅》で【反撃】を得ても、その【反撃】によるダメージは発生しません。
  • 【ソウルガード】や《そんなダメージは気のせいだ!》等で戦闘ダメージを受けた守備ユニットが破壊されたが墓地に置かれなかった場合、【貫通】によるダメージは発生しません。
  • 【貫通】を持つユニットによる守備ゾーンのユニットへの戦闘ダメージを処理し始めた後、守備ユニットが《デスティニー・ソード》や他のダメージ等で場を離れた、あるいは《ワープ!》で攻撃ゾーンに移動して守備ゾーンが空いた場合、【貫通】によるダメージが発生します。
  • 【反撃】は、攻撃によるダメージを0にした場合でも誘発します。

● 新たなルール

以下は第2弾で新たに追加されたルールの解説です。

○ 特殊なタイミングでのドライブ

《ダルマゲドン》

■ 「ダルマ・ザ・ビッグバン」 これが攻撃した時、1ドライブする。

自分のスタートフェイズやメインフェイズ以外でドライブが発生します。これは以前からルール自体は存在しましたが、今回実際にそれを利用するカードが登場しました。

あるカードを自分のスタートフェイズやメインフェイズ以外でドライブした場合、以下の処理を行います。

  1. そのカードをドライブゾーンに置き、セットする予定のカード以外は公開します。そのカードが【OD】を持つならこの時点でドライブゾーンに【OD】も置かれます。
  2. ゲートに「ドライブ解決処理」を置きます。これは一言で言えば「【OD】を使うか使わない」「カードをプレイするかセットするか捨てる」「自分自身が消える」の3つを順番に実行するマシンです。
  3. ゲート処理がドライブ解決処理に入った時点で、【OD】があるならその【OD】の処理、カードがあるならそのカードの処理、どちらも無いなら自分が消える、を行い、【OD】やカードがプレイされたらただちにゲートブレイクします(ゲート追加処理に移行)。

ルール上の注意点:

  • これによりユニットやフィールドやイベントをプレイすることはゲート解決処理によるプレイで、通常の使用タイミングに従う必要はなく、とにかくプレイできます(《アプレンティス》系でなければコストが必要というのは通常のドライブと同じ)。
  • ゲートにドライブ解決処理のみが置かれた場合、それによりゲート追加処理に一旦戻りますが、ルールの規定によりただちにゲート解決処理に戻ります。なので、「ドライブする」という効果を解決して、「ドライブ解決処理がゲートに置かれ、カードが公開された後、それを見て【OD】をプレイする前に対応する」ことはできません。
  • 通常のドライブと同様に、【OD】やカードをプレイしないことを選択できます。その場合ゲートには何も追加されないので、ゲートブレイクは発生しません。
  • これによるユニットのプレイは通常召喚で、《ナイト》系であればコストや召喚権を必要とします。

○ 効果を受けない

《神器合神 ダイジンキ》

【オープンカード】

■ 「合体失敗」 このカードが場に出る際、これが「神器合体」の効果で場に出るのでない場合、代わりにこれをデッキの下に置く。

■ これは相手の効果を受けない。

【2回攻撃】【警戒】

「相手の効果を受けない」とは、基本的には「相手の効果を適用する際、その効果を適用できなかった物として無視する」ことと思えばだいたい合っています。

具体的には以下のようになります。

  • 相手の直接効果(《突発性ブラックホール》等)の処理は実行されません。
  • 相手の効果ダメージを受けません。
  • 相手の継続効果(「相手ユニットをHP-3する」等)は適用されません。
  • 相手の能力による置換効果(「相手のユニットが墓地に置かれる際、代わりに除外する」等)は適用されません。

ルール上の注意点:

  • 相手からの戦闘ダメージは受けます。これには「戦闘ダメージとして扱う」【迎撃】や【反撃】のダメージが含まれます。
  • このユニットが何らかの状態である、あるいは何らかの状態になったことを条件とする相手の自動能力は誘発し、相手のイベントカード(《アブソリュート・ベアリア》等)の使用タイミングは満たされます。ただしその効果のうち、そのユニットに関わる部分は無視されます。

○ 攻撃できない/攻撃されない

《刑天》

【OD】「干戚の舞」これは、次の君のターン開始時まで「これは攻撃されない。」を得る。

《異界神クトゥルー》

【不戦】(これは攻撃できない)

■「夢幻」通常[君のカードのソウルを1枚デッキの下に置く]これは、ターン終了時まで【不戦】を失う。

■「狂気」これが攻撃した時、レベル0以下の敵ユニットを全て破壊する。

「攻撃できない」ユニットは、攻撃宣言ステップで攻撃カードとして選ぶことができません。同様に、「攻撃されない」ユニットは、攻撃宣言ステップで攻撃目標として選ぶことができません。

ルール上の注意点:

  • これらの効果は、あくまで攻撃宣言ステップ中の宣言時にのみチェックされます。それ以降のすでに攻撃を行っている状態でこれらの効果が適用されても、その攻撃は取り消されず、そのまま実行されます。これは例えば、攻撃しているユニットが【不戦】を得たり、攻撃しているユニットの攻撃先が《突然のワームホール》等で「攻撃されない」ユニットのラインに変更されたり、《ワープ!》で攻撃ラインの空いているゾーンに「攻撃されない」ユニットが移動してきたりする場合が当てはまります。

○ 【強化】能力

《エリート怪人 ブラックメン》

【強化】 マジカルユニバース(これを場に出す際、君のマジカルユニバースのユニット1体を選び、これのソウルに入れてもよい。)

■これにソウルがあるなら、これのATK+1、HP+1、STK+1する。

【強化】は、場のカードをソウルとして持った状態で場に出すことができるユニットの能力です。

「【強化】 (条件)」を持つカードを場に出す際、その条件を満たす自分のユニットを1枚選ぶことができます。そうした場合、【強化】を持つユニットは、その選んだユニットをソウルに置いた状態で場に出ます。

ルール上の注意点:

  • 【強化】でユニットをソウルに置くことは強制ではありません。条件を満たすユニットがあってもソウルにしないことを選べますし、そもそも条件を満たすユニットが無くても単に出すこともできます。
  • 【強化】で場に出すユニットは、ソウルにするユニットとは違うゾーンに出してかまいません。
  • 【強化】でユニットが場に出る場合、そのユニットは(先にソウルになるため)新たに出る【強化】ユニットが場に出ることを見ませんし、新たに出るユニットは選んだユニットがソウルになることを見ません。例えば、ソウルになるユニットが「他のあなたのユニットが場に出たとき」の誘発条件を持つ場合、これをソウルにする【強化】ユニットが場に出たときは、この能力は誘発しません。
  • 【強化】で場のユニットを選んでソウルにすることは場に出る処理の一部で、対応できません。ソウルにすることを選んでから、対応してそのユニットに何かをすることで、ソウルに入ることを防ぐことはできません。
  • 一方で、【強化】ユニットが場に出る処理に入る前に、対応して条件を満たしそうなユニットに何かすることは可能です。ただしその場合、実際に【強化】ユニットが場に出る際に、他に条件を満たすユニットがあればそれをソウルにすることができます。

○ 【エナジー能力】キーワード

《金鱗の聖剣士》

■「金鱗の加護」これは相手の能力で選ばれない。

「無限戦技【エナジー能力】」これが攻撃した時、君の墓地から戦技のイベント1枚を選び、エナジーを支払ってプレイしてもよい。そうしたらそのイベントを墓地に置く代わりにデッキの下に置く。

《パワーレイ・マキシマム》

セットして、相手のターン終了時に使える。

■【エナジー能力】敵ユニット1体以上を選び、8ダメージを割り振る。その後、相手に2ダメージを与える。(【エナジー能力】は、君にエナジーがあるなら使える。)

【エナジー能力】は、エナジーゾーンにカードを置いているプレイヤーのみが使用できるカードや能力についているキーワードです。

【エナジー能力】を持つ能力や、【エナジー能力】を持つイベントカードは、自分のエナジーゾーンにカードが置かれているプレイヤーのみがプレイできます。エナジーゾーンにカードが無い場合、そのプレイヤーはこれらの能力やカードをプレイできません。

ルール上の注意点:

  • 実際にエナジーゾーンのカードでコストを支払える必要はありません。あくまでエナジーゾーンにカードがあることのみが条件のため、そのカードがレスト状態であってもかまいません。《ウィザード》等でエナジー以外でコストを支払うことは可能です。
  • 「これをエナジーゾーンにあるエナジーカードであるかのようにレストしてもよい」というカードがエナジーゾーン以外にある場合であっても、エナジーゾーンにカードが無い場合は、【エナジー能力】のカードや能力はプレイできません。

○ 【待機】【強制待機】能力

セットゾーンに置くことのできるイベント以外のカードが持つ能力です。

《梅松一反木綿》

【待機】(【待機】を持つユニットは、セットすることが出来る。)

■これをセットゾーンから通常召喚することが出来る。

《唐傘》

【強制待機】(これはセットゾーン以外から場に出せない。このユニットはイベントのようにセットして使用する。)

 ■君がユニットに攻撃された時、これをセットゾーンから守備ゾーンに通常召喚してもよい。(コストは支払う。相手ターンには召喚権は必要ない。)

 

【待機】や【強制待機】を持つカードは、セットできるカードです。これらのカードは一定の条件でセットゾーンからプレイすることができます。

また、【強制待機】を持つカードは、セットゾーン以外からはプレイできません。

ルール上の注意点:

  • セットゾーンからのプレイも通常召喚です。《ナイト》系はコストや召喚権が必要です。
  • 召喚条件が単に「セットゾーンから通常召喚できる」である場合、自分のターンのメインフェイズでゲートが空のときに、ゲートアクションとして通常召喚できることを意味します。【不死身】能力と同様です。
  • 【強制待機】を持つカードであっても、セットすることは強制されません。それを手札に持ったままにしたり、ドライブゾーンからプレイせずにメインフェイズの終了時に捨てたりすることは自由です。

○ 【不戦】能力

これを持つユニットの攻撃を禁止する能力です。

《異界神クトゥルー》

【不戦】(これは攻撃できない)

■「夢幻」通常[君のカードのソウルを1枚デッキの下に置く]これは、ターン終了時まで【不戦】を失う。

■「狂気」これが攻撃した時、レベル0以下の敵ユニットを全て破壊する。

【不戦】を持つユニットは攻撃を宣言できません。
詳細は前述の「攻撃できない」「攻撃されない」を参照してください。

● 特定カードに関するルール

以下は一部特定カードに関する固有のルールです。

○ 《従軍魔術師 アルケッタ》

《従軍魔術師 アルケッタ》

【創生召喚】通常:これと、味方の、戦士か魔術師のユニット1体以上を素材にしてデッキの下に置く。そうしたら素材にしたユニットの合計レベル以下の戦士かドラゴンを1体デッキから特殊召喚し、1枚引き、このターン中、君の召喚権を3にする。

■ 場の君のレベル0の戦士は全てレベル1として扱ってもよい。

特定のユニットの情報を常時能力で変更できる効果は、実際にそのユニットを参照する時点で、その効果の支配者がその効果により変更される情報の内容を決定します。

そのため、《従軍魔術師 アルケッタ》がいる状態では、以下のようなことが起こりえます。

  • 相手が《コール・ライトニング》をあなたのレベル0の戦士にプレイしようとしたところ、あなたはそのレベル0の戦士をレベル1として扱うことにしました。《コール・ライトニング》のプレイは不適正になるので、プレイの開始前にゲームの状態が戻されます。
  • 相手が《コール・ライトニング》をあなたのレベル0の戦士にプレイし、それを解決しようとした時点であなたはそのレベル0の戦士をレベル1として扱うことにしました。《コール・ライトニング》は対象が不適正になり、その戦士は破壊されません。

○ 《轟撃の魔王 ストライダム》

《轟撃の魔王 ストライダム》

【強化】ビースト

■ 「マインド・ディストーメント」 即時[これのソウルを1枚墓地に置く]相手の【CNT】によりプレイされたカードか能力を1つ選び、「これを墓地に置く」にする。

この能力は、ゲート上のカードや能力を別な能力で置き換えます。その際、それが能力なら、それを新たな能力で置き換えて、カウンターゾーンの該当するカードから使用された【CNT】能力として扱い、それがカードならそれを【CNT】ゾーンに戻した上で、新たな能力をゲート上のその場所に置き、そのカードから使用された【CNT】能力として扱います。

その新たな能力がゲート上から取り除かれた時点で、それを使用した扱いになったカードをカウンターゾーンから墓地に置きます。

今回の新弾ルール解説は以上になります。何かルール上の不明な点がありましたら、お気軽に、こちらのフォームでお問い合わせください。

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