ユニット設定・ウォルナーその1

2021年02月27日   池田 芳正

                   

四大魔竜 荒塵王ポルヴィス・モウス・レクス

体表面に、「通過すると10億年の時を経過させる」という不可視の障壁を身に纏う魔竜。万物は彼に触れた時点で劣化し、崩壊する。故に「荒塵王」。
ウォルナー最大の帝国「ミレミアム・ウェスカロット」の南方に広大な支配領域を持ち、88体の魔竜と55騎のブラックナイト、そして無数の眷属や支配種族を従えている。
「10億年の壁」に守られた彼を傷つける事の出来る者は、ほぼ存在しない。だが、彼自身の攻撃範囲も限られているため、自ら撃って出るには不都合も多かった。そこで彼が目を付けたのが、地球の科学力、軍事力である。彼は地球人のゲートルーラー、「ミダス・G・ゴールドバーグ」と手を組み、ウォルナーの覇権を握るべく暗躍を開始した。

通常攻撃名「エターナル・コラプス(永劫崩壊)」
彼が触れるだけで、万物は粉砕される。

魔竜の信徒

魔竜の中には、様々な種族と交配し、自らの呪われた「魔竜因子」を残す者がいる。それは禍々しい外見、好戦的な性質と強靭な肉体等の形で顕現するが、連続的に影響して一族そのものを異形の新種族にしてしまう場合と、隔世遺伝的に突然、現れる場合がある。
魔竜の信徒は、元は人間型種族だったとある一族から、魔竜因子を強く受けて派生した呪われた種族である。
彼らの一族は、魔竜のために生き、消費物として使われ、そして死ぬ。

通常攻撃「シンク・ダークネス」

魔竜の司祭(ゾア・レグナルド)

ポルヴィス・モウス・レクスの側近。本名は「ゾア・レグナルド」。
内向的な少年に、隔世遺伝による魔竜因子が顕現したのは10歳の誕生日。以来彼をヒトの同胞として扱うのは両親だけだった。その両親たちも最終的には保身のため、ゾアを見捨てる。
「皆の言う通り僕は人間ではない」
「人間などという、醜い存在であってたまるか!」
魔竜こそが自らの「本当のルーツ」であると確信したゾアは、ポルヴィス・モウス・レクスの元で安寧を得たのだった。
彼の得意とする精神破壊魔法(デメルトリア)は、人間への怒りによって発現し、執念によって磨かれた彼オリジナルの攻撃魔法である。その他様々な精神操作系魔法を使いこなす彼は、魔法戦士としても超一流の技量を持っている。

通常攻撃「ザイ・トリア」(精神衝撃波)

デスサリエ

ポルヴィス・モウス・レクス配下の魔竜の1体。二つの首を持つ異形の魔竜で、お互いの首が考えている事が分かるため、非常に仲が悪い。
実力は高いのだが、互いの本心を周囲にバラして足を引っ張り合っており、政治的な立ち位置が高まらない。
が、戦闘時にはいきなり意気投合し、攻防ともにスキのない動きと戦術で敵を圧倒する。
そして戦闘が終わった途端に再びけんかを始める。

通常技「ブラックミスト&ダークレイン」

ブラックナイト・リーハ

ポルヴィス・モウス・レクスに使える55騎のブラックナイトの一人。
ブラックナイトは、半アンデッドモンスターともいうべき存在で、戦士として戦いを求め続ける限り肉体が滅ぶ事がなく、死んでも闇の魔力を注がれる事で蘇る事が出来る。
リーハは、かつてのミレミアム・ウェスカロット貴族の成れの果てで、戦場において死すべき所を、闇の力に魂を売る事で生きながらえた。同じようにして誇りと引き換えに魔竜へと堕したドラゴン、「サグルアーク」とは魔力がリンクしており、互いのいる場所にパートナーを瞬時に召喚できる秘術を持っている。
自ら捨てた家門から、家宝であった聖剣に選ばれし勇者が生まれた事を知り、時折子孫の前に障害となって現れる。それは未練か、嫉妬か、あるいは……

通常技「リグレット・ソード」

ブラックナイト・ガイスト

ポルヴィス・モウス・レクスに使える55騎のブラックナイトの一人。
パートナーの「アイゼンフックス」と共に、強き相手を求めて戦場を巡る、闇の求道者。多くの兵士たちから文字通り「戦場の死神」として恐れられている。

通常攻撃「フォン・タッグ」(屋根より打ち下ろすが如き斬撃)

黒影魔竜シャドウレイカー

ポルヴィス・モウス・レクス配下の魔竜で、側近の1体。知略を巡らせる深慮遠謀と、理由もなく世界を滅ぼしたいと願う強力な衝動を併せ持つ。
おそらくは侵略次元の影響か、狂気に囚われてはいるが、戦略眼はポルヴィス軍においてナンバーワンで、荒塵王もゾアも大規模な作戦の際には必ずシャドウレイカーの意見を取り入れる。が、一定の周期で「そんな事より世界を滅ぼしましょう」しか言わなくなるので、時期によっては役に立たない。

通常技「ゲナス・ガトゥルス」(闇の波動で肉体を削り取るブレス)

ブラックナイト・ディスター

ポルヴィス・モウス・レクスに使える55騎のブラックナイトの一人。ブラックナイトの中でも格上と見なされる騎士の一人で、魔竜因子を受け継ぐ赤竜の一族の先導者。
本人も魔竜因子を強く受け継ぐ隔世遺伝発現者で、鎧の下に元が人間とは思えぬ程に禍々しく変化した肉体を持つ。その頑健な肉体と圧倒的な膂力により、武器を必要とせず肉体のみで戦う。手に持っているのは、赤竜の一族を指揮するための杖。

通常攻撃「戦場格闘技“メガス”」

黄金竜王ゾルター

元よりゴールドドラゴンとして生を受け、その出自に誇りと矜持を持って500年の時を生きたゾルターは、傲慢と鷹揚を併せ持つ正に支配者らしい支配者であった。
ゴールドドラゴンとして理想的な「徳」を積み上げたゾルターは、自分自身全く疑念の余地なくドラゴンロードへと「竜悟」に至り、そして当然のように五大竜王の座を賭けてて「五大竜王 剣聖皇ゴールデンソードドラゴン」に挑む。
そして初めて、敗北を超えた「挫折」を味わった。
不可侵のはずの肉体が傷付けられ、瞬時に回復するはずの傷が治らない。それは、無謬であるはずの自分が犯した過ちによる、心の傷であると理解したゾルターは、今までの「こうあるべき」という生き方から、「こうありたい」と願う自分へと生まれ変わった。
彼は生まれて初めて、「挑戦者」としての生き方を受け入れたのだ。

通常攻撃「ゴールドブレス」

時喰らいの魔神

「トレイター」とは「世界に対する裏切り者」または「世界そのものへの敵対者」を指す。多くは何らかの形で侵略次元に影響されて狂気に囚われた者か、与している者を示す。
が、ウォルナーには古来から、「ここではないどこか」からの侵略者が現れていた。そうした者たちも「トレイター」と呼ばれており、彼らの出自は「魔界」などの「ウォルナーにごく近い次元の、禍々しい異世界」だと考えられている。魔竜因子もそこから来た物であり、闇属性の魔法や一部の魔導は、魔界のエネルギーを用いている。
「時喰らいの魔神」の出自も知られてはおらず、「ここではないどこか」から来たと考えられている。彼はポルヴィス・モウス・レクスの支配地域にある深い峡谷にたたずんでおり、周囲の時間と空間を歪め、世界そのものの物理法則に干渉している。彼の影響により周囲の森は、入った者の記憶と認識を歪ませる「時喰らいの森」と化しており、奇妙に歪んだ草木以外、生命の途絶えた死の世界と化している。
だがそれは、ポルヴィス・モウス・レクスにとって闇の魔力の発生源にもなっており、また、ウェスカロット帝国への防壁としても有益な物なのだ。

通常攻撃「タイム・フォグ」

獄牙獣 ザルベリオス

前述した通り、魔界から来た者や、その影響を受けた物もトレイターと呼称される。ウォルナーが侵略次元と交戦状態に入ったのは約300年前だが、もしも魔界を「侵略次元の前線基地」だと考えると、ウォルナーと侵略次元の闘いは、前史である魔法科学文明以前からの事となり、実に一万年以上昔からの物となる。
ザルベリオスのような「魔獣」は、突然変異の一個体であるなど、ウォルナーの自然に由来しない生物の一族である。ザルベリオスはミレミアム・ウェスカロット帝国と魔竜の支配地域の境界線に出没し、多くの兵士を食らって「獄牙獣」と恐れられた伝説のモンスターだったが、聖剣を保持するリーハルト家の若き勇者によって倒された。

通常攻撃「ハングリィ・ファング」

金輪の縁結び パウラ

ウォルナー最大の帝国「ミレミアム・ウェスカロット帝国」の「帝国魔法学院」が誇る天才魔術師。
学生でありながら、すでに一級魔術師のライセンスを持っており、足りないのは実戦経験だけと言われている神童。しかし性格は、天才らしさの伺えない普通の明るい少女であり、自分が特別だという自覚はあっても、それを全く意識しておらず、むしろ「友達が結構多くて、友達の役に立てる事が自分の一番の誇り」だと考えている程度。ただ明るいだけでなく、悲しみも挫折も知っている、「魔法少女番組のヒロインが、一年の放映を終えて成長した姿ぐらいのイメージ」。
好みのタイプは前向きで挑戦心の強い人。そういう人のサポートについて冒険者になるのが夢。 魔法の属性は「万能」であり、特殊属性として「縁」という珍しい属性を持つ。これはデスティニーマジック(運命操作)と言われる秘術の習得に必須とされるレア属性で、彼女の場合、金の輪を媒介にして人や物との「縁」を結ぶ。簡単な術としては「失せ物探し」や「探している物や人との出会う確率を高める」などの「まじない」レベルだが、戦闘に使用すると「必中」や逆に「断絶」として使用可能でもある。
得意分野は、やはり「縁」を用いた創生召喚。一時的に自分と他の存在を融合させる(後で元に戻る)事で、融合元のポテンシャルや相性によって、最も強力な存在へと変化させる事が可能。創生召喚後の姿はオリジナルではなく、モデルが必要であり、つまりもともと存在する者のイミテーションであるが、「憧れ」の要素が入る分、大概はモデルとなった者と同等、またはそれ以上の力を発揮する。

通常攻撃「リング・スマッシュ」

ゴールデンドッグ

使い魔(ファミリア)について。
この世界のファミリアは、実は独立した「職業」のような物であり、「ファミリアやってますんで、いつでも声をかけて下さい」的な立ち位置の「フリーランスのお手伝いさん生物」である。
専属契約のファミリアも、前述通りフリーランスも存在する。
ゴールデン・ドッグは、ウェスカロット帝国で「軍犬」として訓練を受けた上でファミリア能力を持つエリート犬である。誇り高い彼の助力を乞うには、自らも誇り高き戦士でなければならない。

通常攻撃「ゴルドラッシュ」

ヒュドラファミリア

ファミリアには、通常の生物よりも高い魔力適性が求められる。そのため多くは、魔術工房で人為的に魔力適性を高めて生み出される場合が多い。
ヒュドラファミリアは、ヒュドラの幼体という魔力適性がこの上なく高い生物の知性を底上げして生み出された、稀有な成功例である。幼生体のまま成長を止め置かれる魔法がかけられており、携帯性が高く、従順で適度に知性も高い高級なファミリアとして、社会的地位の高い魔術師に重宝されている。

通常攻撃「ポイズンシュート」

ウォルナーの残りのカードや、他の軍のカードも、順次ご紹介していく予定です。
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