ゲートルーラーストーリー・設定質問会 1

文責 池っち店長

ゲートルーラーストーリー・設定質問会~!(ワー!ドンドンパフパフ)

皆様から寄せられた「ゲートルーラーのストーリー、設定に対する質問」に対し、作者である僕自信がお答えしていこうというこの企画!
皆さんからのツッコミが容赦なさ過ぎて、「やめときゃよかった……」と一瞬思ったのは事実!しかしそれ以上に楽しい企画でありました。

授業を全く聞かずに空想の世界で遊んでいたら、異世界の設定や物語を作る技能だけが磨かれていった中学生時代ですよ。
しかもTRPGのゲームマスターになんてものを20年やってたので、「その場で設定を作り出す即興性」も鍛えられてます。

つまり今回のご質問に対する解答も、
「すげぇ!池っち店長のヤツ、そこまで考えて……ッ?!」
と思われるかも知れませんが、五割は「今考えた!」なので、騙されないように。

そんなに考えてない。そんなに計画性はない。

いずこかのブログとかを読むと、池っち店長は計画的な極悪人に思えるそうですが、僕を知っている人はみんな断言しますね。
「あれはおかしい。池っち店長はそこまでかしこくない。
と。
皆さんからの正しすぎる分析に、涙がちょちょぎれます。

……もうなんか、悲しくなってきたので、そろそろ始めます。

■ゲートルーラー・質問会!
(注意 今回の回答の中には、今までの設定と食い違っている細かいミスがあるかも知れません。例えばポルヴィスの「時間の壁」も今までに、10億年と100億年で表記がブレていた事もあります。細かいところは「まっ、いいか」で済ませて頂けると、今後ものびのび書けますんで、突っ込まないで宜しくお願い致します。)


Q なぜこの世界は生まれた?(海外からの質問)

 おぉう……
いきなり、哲学的な質問です。
なぜ生まれたか?
商業的、かつ商品的な質問なのか?(商品として成り立つと思ったから)
作者のモチベーションやミューズ的な創作意識に対する質問なのか?(作りたかったから)
それとも世界観の設定的な質問なのか?
範囲が広すぎて答えられんでしょ!
「哲学の章」
「商業の章」
「歴史背景の章」
「ウィリアム・シェイクスピア的物語の分解によるゲートルーラーという物語の帰納法的再構築(むちゃくちゃ)」
とかで、本が一冊書けますわ!
オタク特有。私の、ゲートルーラーに対する思い入れの深さを舐めんで頂きたい。(「前作」も大概ですが)
が、それを理解し、覚悟した上でのご質問とあれば、無下には出来まい。
これは本一冊分の文章を列挙してでも質問に応えることにより……おっと誰か来たようだ。

Q 山田とポルヴィスの決着はどうなったの?

 「触れた物質に100億年の時間経過を与える時間の壁」を身にまとうポルヴィス・モウス・レクスですが、マジカルユニバースの宇宙開闢時から存在したと言われるカリバナイト鉱石でできた“エックスカリバー”(エクスカリバーではない)は100億年の壁を物ともせず、ポルヴィスの喉元を深く切り裂きました。
重症を負ったポルヴィスは撤退し、深い眠りに付いています。どうやらエックスカリバーの謎の副次効果により、「100億年の壁」まで失ってしまったようですね。
それでも主の神殿を守ろうとする一部のブラックナイトが、けなげです。

「ポルヴィス・モウス・レクスは深手を負い、深淵の内に眠りについた。ブラックナイト達はその眠りを守る事を誓いあった……給料など出ないのだが。」
ブラックナイト・ロフエルのフレーバーテキストより。

Q 異世界人のアークへの出入りはどれくらい自由なのでしょうか?

 アークには非常に多くの種族が住んでいますが、それだけに価値観やルールの違う人達との微妙なバランスの上で成り立っている世界なので、かなり排他的です。
というより、「よく知らない相手との接触は慎重に行う」という考え方が根付いていて、接触の際に問題を起こしにくいノウハウもかなり発達していると思われます。SFでよくあるファーストコンタクトテーマですね。
「幼年期の終り」のオーバーロード達は、ファーストコンタクトの達人でしたが、アークにもそういったノウハウがあると思います。
最初にワイルドフォースを派遣したのも、
「ワイルドフォースの連中が、一番地球人と気が合いそうだったから(具体的にはアメリカ軍)」

(バスターコングと飲んでるガーソンさんはイギリス人ですが)

という理由ですし、初めての「アークの代表者」として送り込んだのも、元々のアークの住民ではなく、OWLとも繋がりの強いルシファーでした。(多分に諧謔的というか、悪戯めいた人選ですが……)
なので、アークへの出入りはかなり自由度が低いと言えるでしょう。それを突破したルシファーが如何にコネが強いか、という話ですが、多分コネ相手はロキですし、ロキはアークにいながらレギンレイヴの開発者として、別口の出入り口を持っているのだと思います。例外、ですね。
ただ、アークへの出入りと言うか、住民が一気に増える事はあります。それは、その世界が侵略次元に滅ぼされたときです。その時はアークは正に「方舟」の如く振る舞い、多くの住民を迎え入れるでしょう。ただし、迎え入れても問題のない種族、文明だと判断したときのみです。この「判断」には、数十年、百年ほどかかることもあります。地球も今は、「試されている」のでしょうね。

Q 次元の移動が割とフリーに見えますが、侵略次元の本拠地に殴り込んだ事がある勢力はいるのでしょうか?

 こういう質問、待ってました!そりゃ当然、そうするべきだと思いますよね。
しかしそれはできない。できる可能性があるのはアークだけ。理由を説明します。
実は、異世界同士の「距離」は一定ではないのです。例えば、多元宇宙が無数の泡の塊だとして、「境界面がくっついている隣同士の泡の間は移動しやすい」という事です。
これらは「親近界」と呼ばれており、ウォルナーもマジカルユニバースも、地球と非常に近い異世界なのです。
こうした世界は、境界線を失って融合することもあります。実は地球と最も近い親近界に「シャドウアース」という世界が存在していて、そこがOWLの故郷となっています。地球の神話や民話の世界で、OWLのモンスターや神々が語られているのは、元々近い世界であり、時々何らかのショックで融合していたから、という設定です。
侵略次元の攻撃や、ウォルナー等異世界との接触により、次元境界線がガバガバになった為、現在ではシャドウアースはほとんど地球と融合しています。
アークだけが、アークの始祖の文明が作ったオーバーテクノロジーにより、親近界以外の異世界にも到達することができます。ですが無数の世界を崩壊させた侵略次元の本拠地には、未だたどり着けておりません。
多元宇宙は広大すぎて、侵略次元によって滅ぼされた世界も無数にあり、「本拠地の有りそうな方向」すら明確ではないのです。それにアークは、侵略次元の本拠地を叩くにはまだ戦力不足であり、侵略次元に対する理解も足りないと考えているようですね。
しかし「アリス」は、その直感力により、地球こそが侵略次元を打ち破る鍵になる世界だと認識しています。そしてそれは、アーク内でも無視できない意見として考えられています。
なぜなら、地球に特有の「ゲートルーラー」という能力は、侵略次元の「ポジティブ・エナジーを収奪する能力」「“置き換え”などに見られる、空間情報の書き換え」に非常によく似ており、何らかの共通点があるものと予測されているからです。
「創造主の雛」。
この言葉は不安とともに、希望を持って語られています。

Q アリスとA7の関係性(アリスごとの交流やA7同士の交流会・A7に加わった経緯など)

 アリスのカードが何種類もあるのは一応、訪れた世界ごとにコーディネイトされた、アリス本人だと考えています。仮◯ライダーのフォームチェンジみたいなものかと。
A7との関係性を一言でいうと、「血盟」ですね。侵略次元を倒すための仲間です。
一人ひとりとの出会いや設定を語りだすとすっげえ長くなるので、簡単に取りまとめてみました。

◯ハンプティ・ダンプティ

平和と自然を愛する、しかし侵略次元と戦うために自らを機械化しなければならなかった超文明の生き残り。原型をとどめていないが一種のサイボーグであり、心がある。口数は少ないが、哲学者であり詩人。全身に超文明兵器を内蔵している。

◯マダム・ダッチェス

「紫炎族」と呼ばれる戦闘民族の生き残りにして、仙人。生物としての進化の一つの到達点に達しており、不老不死の肉体を持つ。
自らの世界が滅んで一千年、アークの食客として無聊を託っていたが、アリスと出会い、その戦いの師匠となる。アリスの格闘術と、何より戦うための精神のありようは、マダム・ダッチェスによって鍛えられた。

◯ジャヴァウォック

高度な精神文明を築き上げていた、ドラゴン族の世界の生き残り。
その世界最強の戦士の1体であったが、死の間際アリスたちと出会い、A7達の助力を得て精神生命体と化した。つまりお化け。
いつもはアリスかA7の誰かの「夢の中」に住んでおり、その者の力をブーストするか、具現化して物理的な力を振るう。
戦いの際のジャヴァウォックは強大なサイコキネシスの竜巻であり、対象物に原子レベルで圧力を加える破壊の権化である。

◯クイーン・オブ・ハート

とある世界が侵略次元に立ち向かうために、全人類の力を結集して作り上げたスーパー・ロボット軍団「トランプの騎士団」の1体。
「トランプの騎士団」は侵略次元の精神汚染を受け、自らを生んだ世界を滅ぼす死神と化したが、唯一正気にもどったクイーン・オブ・ハートは、アリス達とともに他のトランプの騎士団を打ち倒していった。
趣味はウインドウ・ショッピングとお茶会。本体は全高20数メートルの巨体だが、分身となるドローン・ロボット(本体を少女にしたような外見のアンドロイド)があるので問題はない。

◯マッドハッター

どんな世界からやってきたか分からない風来坊。体内時間をコントロールできる能力者(銃弾を指先で摘める)にして、「因果律操作」の技を持つ。超能力者とも、魔術師とも、地球人の概念では説明しにくい存在。
彼の世界も侵略次元に滅ぼされたらしく、侵略次元に対する強い怒りを秘めているようだが、表には出さず飄々としている。好奇心が強く、クールに見えて友情に厚い面をもつ。
趣味はパーティやお茶会を開くこと。「なんでもない日のパーティさ!」

◯チェシャ猫

侵略次元に滅ぼされた世界の大科学者にして超能力者。脳だけが生き残っているが、その知恵と超能力は健在で、テレキネシスやテレポーテーション、アポーツなどを使いこなし、様々な発明を行う。
いたずらっぽい「チェシャ猫」のホログラムを自らのアバターとして投影しているが、本人の性格は「女好きの愉快な爺さん」といった風情。マッドハッターやマダム・ダッチェスとは喧嘩友達で、ハンプティ・ダンプティとは茶飲み友達。
ジャヴァオックと精神波長を同調させた時のサイコキネシスは、A7最強の切り札となる。

◯ホワイトラビット

はるか遠い異世界から放たれた、対侵略次元情報収集用ドローンの1体であり、ビメイダー(作られし者)にして戦士。単体での次元間移動能力を持つ。
あらゆる世界で作戦行動可能な屈強な肉体を持ち、切り札として限定事象の時間軸を世界ごと切り離す、または巻き戻す時間操作能力(バハインド・バハインド)を持つ。
情報収集ドローンらしく、その世界の情報にアクセスし、分析するのが得意な上、誰とでも友だちになれる特技を持つ。

次はちょっと難しい質問です。

Q ゲートルーラー能力者がカードを実体化させた場合、創生召喚や深淵召喚を始めとするキーワード能力はどんな効果があるのでしょうか?
特にアビスシンフォニア持ちは条件を満たさないと実体化できないのか、召喚される側に条件の無い創生召喚は存在意義があるのか気になります。

 面白い質問です!これは「ゲートルーラーの世界がアニメになったとしたら」を想像しないと出てこない質問ですよね。
そうですね……ゲートルーラーは勿論、アニメ化の企画はないですが、他の、アニメ化の企画のあったTCG(ありましたよね……)で考えていたバトルシーンは、ターン制のある普通のTCGアニメと違って、リアルタイムの戦いに近いものを考えていました。
なので、ゲートルーラーもそんな感じです。伝記物のアニメとか映画で、符術士とか魔術師が戦うような感じになる(呪文の詠唱の代わりにカードのプレイ宣言)と思うので、深淵召喚も、「くっ……墓地にデックアールヴがあれば!」ってなったりしそうですね。

アニメ化の際のバトルシーンでは、元々TCGゲーマーだった主人公がカード具現化能力を手に入れて、初めての実戦で「さて僕のターンだな」と思ってじっくりプレイしようとすると、相手に攻撃され、
「なんでターン(を)無視すんの!」
「阿呆が!実戦にターンなんてあるか!」
と怒鳴られる、というシーンを入れようと思ってました。(笑)

あと、一つ誤解がありそうなのですが、ゲートルーラーがカードを実体化させるのは、「自由自在」ではありません。ちゃんと、「デッキから引いた、またはドライブしたカード」しかプレイできないし、実体化出来ないんですよ。(少なくともゲートルーラー同士の戦いのときには)
だから、任意のユニットを召喚できる創生召喚にも意味はありますね。

とは言え、対戦中でなければ、任意のカードを実体化させることはできそう。この辺り、他のTCGアニメでもよくあるように、設定にガチガチに縛られずフワッとした部分なのかもしれません。

今回はここまで。じつは 全部一気に書き上げたんですが、今回だけでも凄く長いでしょう?
なので2回に分けました。

次もすぐ公開します。お楽しみに!

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